▼【創作パーツ】カテゴリでは、物語を創作するにあたってヒント・小ネタになりそうなキーワードを集めています。
<目次>
藤(ふじ)Wisteria floribunda
低山地や平地の林に分布する好日性の植物で、ブドウの房のように枝垂れた薄い紫色の花が特徴。
木材などで作られた格子状の屋根に蔓を這わせて作られた藤棚からの眺めは、まるで空から降ってくる花の滝の中に迷い込んだかように幻想的。
立ち上る泡のように儚い花の姿と、僅かな期間しか味わえない甘やかな香りが魅力的。
花の姿も、蝶のような、着物を着た女性のような可憐さがある。
ツル性で自立せず樹木に絡んで太陽を目指す姿から、男女の物語性や、依存性を感じます。
寄り添っているようにも、焦がれてすがっているようにも見える。
華やかな香りと、夢のような薄紫のグラデーションに包まれながら微睡んでいると、気付けば蔓が足首に、腕に、指先に這っていて、いつしかそれと一体になっている…なんて、怖いけれど美しいですね。
花言葉
「歓迎」「恋に酔う」「優しさ」「決して離れない」
藤娘
民俗絵画・大津絵の画題で、歌舞伎舞踊や日本舞踊の演目。
黒塗りの笠をかぶり、藤の枝を担いだ女性(藤の精)が、切ない恋心を表現して踊る。
藤が絡んだ松の大木は、藤が女性を、松が男性を表わしているのだそうです。
季語としての藤
藤の花、藤波、藤棚、藤房など
晩春を表す。
毒性
種、さやの部分…(マメ科で、ソラマメやインゲン豆のような立派なさや)に含まれる毒:ウィステリンにより、多量に摂取すると嘔吐や下痢、めまいなどを引き起こす。死亡例は確認されていないとのこと。