タイトル:メモの魔力
著者:前田裕二
出版:幻冬舎
今回は、こちらの本をご紹介&レビューさせていただきます。
<目次>
こんな気持ちで読みました
手書きのメモってもう古いんだろうか?
もともと私はメモ帳片手に仕事をする派(そんな派閥があるかはさておき)だったのですが、近年仕事においては特にノートPCでのメモ、それも議事録的な記録をとるくらいで、正直物足りなさを感じていました。
手書き、そしてメモが好きであることから、それこそ流行りのバレットジャーナルや、手帳術についての本などを読んでみたりもしました。
が、結論それらを実践しようとは思えなかったのです。
(…継続できる人、楽しんで手帳づくり出来る人にとっては素敵な内容だとは思います。どうしても、書くことが目的になっているように感じてしまって、私には合わなかったというだけの事です。)
そんな中、もう一度、手書き…そしてメモに向き合ってみようと思い、手に取ったのがこの本でした。
今回この「メモの魔力」を読んでみて、手書きに限らず、メモを取る事、そしてメモの発展性について改めて感じる事ができました。
読んでみた結果
メモに対する振り切れた思いに、不覚にも共感。
前田さんのメモに対する情熱が、とにかくすごいです。
また、作中で手書きにこだわってる様子はないものの、ノートのレイアウトから左側には事実(左脳的な要素)を、右側にはその事実を抽象化・チャンクアップした要素(右脳的な要素)を記載する方法からも、失いかけていた手書きメモへの愛着を思い出させてくれました。
また、世代的に私と前田さんは限りなく近く、同じ時代を学生とした過ごした人が、こんなにも世の中で飛躍している…という事実からも、大変な刺激を受けました。
歴史的な、古くから誰もが知る有名な経営者の本を読むのも一つ大きな刺激ですが、時代背景からも共感しやすい、近い世代の成功者の本を読む良さを感じさせてくれた、とも思っています。
こんなひとにおすすめ
日常生活で得たインプットを無駄にしたくない、という焦燥を感じている人
著者の前田さんは、とにかく日々すごいスピードでインプットとアウトプットを繰り返している人だと思います。
作中でも仰っていますが、日常の中で出会った気付きを少しも無駄にしたくない、という情熱を感じます。
実際に、メモを取った事実を「抽象化」し、ビジネスに活用されている例も記載されていて、感心させられます。
自分の軸となるストーリーを見つけたい人
著者は、徹底した自己分析を通して自分の目的、夢を明確にしていきます。
1000にものぼる自己分析の為の質問も作中に記載されており、これはぜひやってみてほしいワークだと思います。
また、自己分析についても、幼少期はどう感じていたのか?学生時代はどうなのか。そして今はどう思っているのか…という自分の軸の変遷を感じることもできます。
社会人に限らず、就職活動中の学生さんも実践してみると良いかなと思います。
印象的な3つのポイント
メモする姿勢を通じて、相手へのリスペクトを感じる。
対談の場に限らず、著者は常にメモを手放しません。
それは番組の収録であっても、会食の場であっても、だそうです。
最初はそんなにも熱心にメモを取る姿に驚くのでしょうけれども、そこまでもその場での学び、得られたことを無駄にしないという姿勢を見せられると、やはり相手への尊敬の念を感じ取り、自然と印象もよくなる…ということがあると思います。
作中でも、著者の他人に対する尊敬の念というのを感じる事ができ、見習うべき点だなと率直に思いました。
抽象化による転用の大切さ
日々、物事のチャンクダウンは心掛けて行っているかもしれませんが、意外とチャンクアップ、いわゆる抽象化は出来ていないのではないでしょうか。
私自身、目の前にある事実を、何故そうなのか?どうしてこのようになったのか?と掘り下げていくことはあったとしても、その事象の本質を得て全く別のビジネスに転用するという発想は持てていませんでした。
この本を読んでから、ビジネスや仕事の更なる発展に関するヒントは、生活のそこかしこに転がっている…という感覚が芽生えたように思います。
実際に著者がメモを活かしてアイデアを転用した事例にも言及がありますので、その様子を知ることが出来る…というだけでも価値がある本だと思います。
得たものはアウトプット(実践)せよ!
成功している方の共通項なのかもしれませんが、やはり得た知識を実践する、自分の領域に適用して徹底して実行している、そしてそのスピードが速いと感じました。
タイムマネジメントに関する記事でも記載しましたが、自己啓発やハウツー本に記載されている内容を、次の日から実践できている人がどのくらいいるでしょう?
普通の人と、成功していくひとの差は、この実行力、そして絶えずインプットし実践していくというモチベーションの高さなのだと感じました。
読んだ後、私はこんな行動を起こしました
前田さん流メモの取り方を実践しています
ノートの左半分と右半分を分けて使う方法について、作中で言及がありますが、それを早速実践しています。ノートの左半分(事実)はそれなりに時間ごとに埋まっていくものの、やはり右側(抽象化していくページ)が空っぽ…という見開きも少なくありません。
それでも、諦めずにノートの左側について掘り下げて考えていくことで、得られた知識の転換が癖づけられていくのではないかと思っています。
ひとまず、この本を読んで「手書きのメモ」の有用性、時代遅れなんかじゃない、実際にこうして若年の成功者が実践しているのだから、という安心感を得るには十二分の本であったと思います。
単純に、前田さんのもつ物語を知る機会としても面白い読み物ですので、世代の近いかたは特に、ご一読いただきたいなと思います。